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6年生への読み語り

昨日は、念願だった、小6のクラスへの読み聞かせだった。
娘が熱を出したので、おんぶして行ったら、
「かわいい!」「ちっちゃい」「笑ったあ」と女の子が言ってくれ、
教室がなごんで助かった。

読んだのは、オールズバーグ作、村上春樹訳の絵本、
『いまいましい石』(河出書房新社)

途中で10分を超えてしまい、読み終えてそそくさと出てきてしまったけれど、
子ども達が真剣に聞き入ってくれていたのは感じていたし、
「今年度は6年生に挑戦したい !」と思っていたので、念願叶って感無量。

時間切れで、さっと出てきたのは結果的によかった。
先生が親切心から「感想は?」と手を揚げさせてくださることがよくあるけれど、
個人的には、感想なんて言ってもらわなくてもいい。
ふと思い出したり、ぼんやり考えたり、咀嚼してくれたら、それがいいなと思う。
子ども達の、あるひとつの、読書体験に加えてもらえるだけで、
じゅうぶんに嬉しいし、光栄だ。

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もうひとつ候補にしていたのは、小川未明の作品『野ばら』
集団的自衛権の閣議決定にピタリのタイミングで、すごく迷った。
結局、絵がなく言葉だけで聞かせるには、
朗読の練習をもっとしたいという気持ちもあり、
今回は見送った。

国語の教科書で『野ばら』に出会った人は多いと思うが(光村図書だった)、
今でも教科書に載っているのだろうか__
子どもの読書体験という意味では、教科書は大きいと思う。
田中正造、アンリ・デュナンなど、
大きな流れに抗って、弱者を切り捨てまいと尽した人がいたことを、
社会の教科書では足りない部分を、国語の教科書が教えてくれていた。
勉強嫌いで赤点ばっかりとっていた私だけど、
ぼんやりと読んでいた教科書の、あの作品やこの作品が、
頭のどこかにあって、ときどき何かの拍子に、ぽろりと出てくる。
当時の担任の先生の顔と一緒に。

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                       (一年前の長男の写真、やっぱり幼いな)

息子たちの音読を聞きながら、ときどき唸る母である。
by adusaadusaadusa | 2014-07-02 12:01

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by 繁延あづさ